総員玉砕せよ!
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/06/07
- メディア: 文庫
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水木しげるが、パプアニューギニア、ニューブリテン島での戦争体験を元に作成した戦記漫画。終戦記念日にほぼそっくりドラマ化されたものを見たのだが、水木氏の漫画はキャラクターのコミカルな調子とは反対に背景がやたら緻密に書き込まれていて、戦場の雰囲気は映像に勝るとも劣らないほど伝わってきた。
余談ではあるが、このとき水木氏は
やがて太平洋戦争が始まる。「召集されれば死だ」と考えた茂は、「人生の意味」を求めるため、哲学書や宗教書などを濫読する。その中で、一番気に入ったのが、ヨハン・エッカーマン『ゲーテとの対話』だった。ゲーテにはその後も心酔し続けており、「自分の生き方の基本はゲーテ」と語っている。
(水木しげる - Wikipediaより引用)
という事で、ゲーテが大層お気に入りだったらしい。『ゲーテとの対話』は戦争にも持っていったほどだとか。ちなみにこの時期の若者たちは、水木氏に限らずみな迫り来る死というものをまじめに捉え、生の意味というものを探求していた。まぁ、それゆえその世代の爺さん方から見ると、やっぱり「今の若者はたるんどる!」となるわけですね。仕方のないことだと思いますが。