コミック昭和史 2巻
- 作者: 水木しげる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/08/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
第2巻は満州事変から日中全面戦争までということで、万宝山事件、上海事変、満州国成立、更に三月事件、十月事件、五・一五、国連脱退、滝川事件に相沢事件、二・二六と軍国主義へと傾いていく日本の影が、いよいよ田舎の水木氏にも忍び寄ってくる。その中で水木氏も、世話になったのんのんばあが死んだり、小学校を卒業して働きに出たりと、大きな環境の変化を迎える。
2巻はのんのんばあの死から始まるわけだが、この「昭和史」の記述から「のんのんばあと俺」を振り返ると、隠されていた貧しさが浮き彫りになり、微妙なやりきれなさを感じた。軍国主義化が進んでいく一方で、坂田山、三原山の心中の話や岡田嘉子、安部定のマラちょん切り事件など、人々がわけわけらん状態になっているのを、水木氏の視点から見られたのは面白かった。