ランド・オブ・プレンティ ヴィム・ヴェンダース

ランド・オブ・プレンティ スペシャル・エディション [DVD]

主人公の女の子、ラナはヨルダン川西岸地区に住んでいたのだが、自分の生まれたアメリカへ帰ってきた。伯父に当てた、母の手紙を携えて。9.11以降、ロサンゼルスで自主的に不審者の監視活動を行っていた伯父のポールはベトナム戦争の退役軍人で、未だにその傷を心に抱えている。アラブ系ホームレス*1の殺害事件で再会した二人は、被害者の遺体をその兄弟に届けるため、共に旅立つ。

内容のまとめで分かるように、テーマが盛りだくさん。しかしそれらが「人を亡くす事の痛み」という一点を通してゆるく繋がっている。結局は、最後のシーンであるように「悲惨な事件そのものではなく、その被害者たちの声に耳を傾けよう」というメッセージなんじゃないかと思う。良い映画だとは思うけれど、僕は「パリ・テキサス」の方がもっと好き。

*1:と映画内では言われているが、パキスタン出身なので厳密にはアラブ系と言えるのかどうか不明