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東アフリカの「怪談」?――ウガンダ東部アドラ民族の場合 梅屋潔 / 文化人類学

東アフリカの「怪談」?――ウガンダ東部アドラ民族の場合 | SYNODOS -シノドス-
一応拙いながら大学時代はイスラームの妖怪研究をしていた。そのなかでアフリカも気になって見てみたのだが、北アフリカは研究も進んでいるしイスラームの影響も大きいのでなんとかなりそうだったが、サブサハラになるとまるで混沌としており、あっさり諦めたということがある。だからとても興味深く読ませてもらった。

「死者とともに飲む」この宴では尋常ではない量の酒が消費される。何年もあとに行われるのは、多くの場合経済的な理由からである。開発の専門家のなかには、このルンベ儀礼での浪費こそが、この地域がいまだ低開発であり、貧困から脱却できない大きな原因である、という者もいる。実際、彼らは支払いきれない花嫁代償と、支払いきれないルンベ儀礼の費用で首が回らなくなっているところがある。この後に、生前賞賛されるべき業績をあげた人物に対して行われるオケロ儀礼があるが、ここ数十年行われたことはないという。

いや弔いの儀だから仕方ないのかもしれないが、どれだけ飲むんだとw


こうした儀式は、故人の親類縁者がきちんと覚えていて行う場合の他に、不幸があった際などにシャーマンであるジャシエシが霊媒を行った結果、先祖の霊が「私はルンベされていません」と申告した場合によく行われるという。そして、ジェシエシによる霊媒の結果は多くの場合、この「ルンベが行われていない」になるのだそうだ。その理由としては

拡大家族で、系譜も移住や内戦などによって不明確だから、「何世代か前の先祖がルンベ儀礼をやってもらっていない」といわれれば、「そういうこともあるかな」と思うようだ。クライアントの立場から見れば、かなりの蓋然性があり、いうならば「当たる」のである。だから多くのジャシエシも「災因」をここにもっていこうとする。説明が破綻しようがないからだ。

墓や位牌のありかたが激変した現代日本人も、「大昔の先祖の位牌が正しく祀られていない」とか「墓参りはきちんとしているか」とか「仏壇や神棚に毎朝お参りしているか」などと占い師にいわれたら、多くの人がぎくりと思い当たるのではないだろうか。卑近な例だが、実態はそれによく似ている。

という説明がされていて、なるほどと思った。
皆さん墓参り、していますw?